月別アーカイブ: 2016年5月

第20回記念定期演奏会、開演直前

第20回記念定期演奏会の御礼

まず最初に、第20回記念定期演奏会にご来場いただいた皆様に、心から御礼申し上げます。

今回は旭市出身のピアニスト、實川風さんをソリストとしてお迎えしてのラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番をはじめ、メインのブラームス 交響曲第4番と、これまでよりもちょっと背伸びしたプログラムに加えて、クレモナストリングスの皆さんを交えて2曲演奏するなど、盛りだくさんの内容となりました。

演奏会を開催するにあたり、各方面で多大なご尽力をいただいた関係者の皆様、粘り強く熱い指導をしてくださる指揮者の一色先生、演奏面で力強いサポートしてくださった賛助の皆様にも、厚く御礼を申し上げます。

實川さんと共に演奏したラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番は、

「幸せだった」

それ以上の言葉が見つかりません。ご来場いただいた皆様も、實川さんの持つ技巧的、表現的な素晴らしさを感じたのではないでしょうか。鍵盤を前にした實川さんの表情が、本当に活き活きとしていて楽しそうだったのが何よりの証拠だったと思います。私事を申し上げて大変恐縮なのですが、涙腺をじわじわさせながら演奏したのは、もう十数年振りの出来事だったのではないかと思います(神経が単純なんです)。他の団員も同じように、實川さんと本番の舞台で共演することの幸せを感じたのではないかと思います。

そしてブラームス 交響曲第4番、この曲の難しさは、ブラームスの交響曲に触れたことのある人であれば誰もが共通の認識を持つのではないかと思います。本当に難しかった。けれどもそこを乗り越えて、ひとつの「かたち」に持っていくことができたというのも、また幸せなことでした。

願わくば、ブラームス ハンガリー舞曲 第5番とブリテン シンプル・シンフォニー 第1楽章を一緒に演奏したクレモナストリングスの皆さんの誰かが、そのエッセンスの一雫でも感じ取ってくれて、将来はオーケストラの演奏を一緒にやってみたい、という思いを抱いてくれたとしたら、それも幸せなことかと思います。

そこから先の、お聴きになられた皆様のご感想は、丸投げではないですが、感じられたことそのままにお任せしたいと思います。もしもブログやSNSなどのアカウントをお持ちの方がいらっしゃいましたら、自由に共有していただければと思います。

第20回定期演奏会、開演直前
第20回記念定期演奏会、開演直前

クラシック音楽というジャンルは、これまでの時代の流れの中で様々な目的に用いられてきました。神様を讃えるために捧げられたり、時の君主へ献上されたり、貴族の宴席のために作られたり、時には政治体制の要請によって作られたり。

それから数百年、数十年。

音楽は地位や世代に関係なく、平等に聴いたり奏でたり、同じ空気を共有する場をもたらしてくれるようになりました。前回の投稿でも「楽しい音楽の時間」という引用をしましたが、ただ楽しいというだけではなく、その場にいた全ての人にとって何かしらの意味をもたらしてくれるという「楽しい音楽の時間」を、共有できるようになりました。

千葉県北東部や茨城県南部を中心とした地域でも、太田先生や勝又先生を初めとする先人たちのご尽力により、ひとつひとつこの場を積み重ねることができ、そして2016年5月29日、20個目の足跡を残すことができました。

けれども足跡はそこで途切れることはありません。次の一歩が始まろうとしています。先人たちの思いと共に、団員一同、より良い音楽を奏でることができるように、精進を重ねてまいります。

今後とも、ニュークレモナフィルハーモニーオーケストラを、よろしくお願いいたします。

某練習場所のピアノ

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 4回目のピアノ合わせ

おそらく、ゲネプロから本番当日まではワチャワチャしていると思うので、本番前の最後のレポートになると思います。

實川風さんとの最後のピアノ合わせでした。

もう正直、何をレポートすれば良いのやら。回数を重ねるごとに進化する實川さんの素晴らしさにびっくりするやら感服するやら。

某練習場所のピアノ
某練習場所のピアノ

ただこれだけは確実に言えることですが、第2楽章のAdagio sostenuto.での短い再現部を経てrit.がかかった後、a tempoに戻った瞬間からの15小節間(スコアをお持ちの方は27番と言えば通じるでしょう)は、本当に美しい風景が広がりました。Vnの長く緩やかな旋律、低弦の通奏低音、花を添えるFlとClの生き生きとした3連符、そして、何よりそれらを牽引していく實川さんの表現力の豊かさと力強さと懐の深さと。

それから第3楽章、Agitato.でまず仕掛けがかかり、實川さんの見事なCadenzaでさらに仕掛けられた後の、Maestoso.のスパーク! あれをスパークと言わずして何というべきか。

一色先生曰く、

「こんなのチャイコフスキーだったら絶対書けないよ」

と。

實川さんのピアノの技術的な素晴らしさは、もう「みなまで言うな」だと思います。第1楽章の「鐘」の引用が、全てを物語ってくれるはずです。

最後のブラームスの合奏
最後のブラームスの合奏

あとちょっとだけブラームス 交響曲第4番のお話も。「ラフマニノフ脳」から「ブラームス脳」に切り替えるのって、大変ですね。本当に大変だ。そこを一色先生は綺麗にコントロールしてくれています。第3楽章のコントロールっぷり、さすがです。

どんな曲だろうがとても難しいし、けれどもそのあたりを一色先生や、エキストラさんや、団員・団友や、みんなでなんやらかんやらするところが、楽しい。その楽しさを實川さんとともにラフマニノフで共有する機会に、幸いにも恵まれることができ、ブラームスはブラームスで、やはり表現する機会に恵まれると。

さあ、行きますか。

楽しい音楽の時間です、

もうすぐ。